大判例

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仙台高等裁判所 昭和26年(う)466号 判決

原判決が右事実認定の証拠としているものを綜合すると、同判示の飲食遊興には一時ではあつたが被告人山崎英一も出席していること、而して其の被告人の分をも含めての費用が約一万二千円であることが明らかである。ところで他人の為飲食遊興の費用を支払つて贈賄する場合、其の飲食遊興に贈賄者も加つているときは其の贈賄金額は右費用のうち贈賄者の負担部分を控除した額とすべきことは当然であるから、原判決が証拠のうち被告人も右飲食遊興に加つたと謂う趣旨の部分をも肯定し、従つて其の旨の事実を認定しながら、右費用の全額たる一万二千円全部の贈賄を肯定したのであるとすれば、それは理由不備又は理由くいちがいの違法があるものである。尤も原判決挙示の前記証拠中、右飲食遊興に被告人が加つたと謂う趣旨の部分は他の部分と不可分のものではないと認められるから、原審は此の部分は措信せず、従つて被告人が右飲食遊興に参加したことを否定した趣旨の事実認定を行つていると謂う趣旨で一万二千円全額の贈賄を認めたものとも推認されるが、記録を精査すると、右飲食遊興に関する証拠は殆んど一致して被告人も一時ではあるが参加して若干の飲食をした趣旨となつており、他にも反証もなく、充分に之を措信し得るところであつて、原審が前記のように被告人の右飲食遊興参加の事実を否定したものとすれば、それは証拠の価値判断を誤り、事実を誤認したもので而も其の違法が判決に影響を及ぼすことは明白である。原判決は破棄を免れない。

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